創造性、革新性、優れた職人技術は、創業当時から受け継がれたサルヴァトーレ フェラガモのコアバリューで、すべてのクリエイションの発案と製作に必要な要素です。
地域、土地の文化、コミュニティーとの強い絆は、企業活動の場とこの企業で働く人たちを守ることへの強い責任感を、サルヴァトーレ フェラガモの中で、継続して熟成させてきました。それは国内及び国際的に定められた法律、規則、規制の範囲を超えたレベルに達しています。
サルヴァトーレ フェラガモにとって、サステナビリティは、ビジネス戦略の中へしっかりと組み込まれている要素です。
2017年、当グループは、毎年更新されるサステナビリティ・プランを導入しました。それは、グローバルレベルで定める方向性の共有ビジョンを作り出すことと、卓越性を保護し、尊重し、プロモートするサステナブルな文化を促進することを主旨としています。
国連の持続可能な開発目標(SDGs)の発表に続き、フェラガモ グループは、サステナビリティの価値に対する一貫性と、短・中・長期にわたる活動に対する関連性に基づいた、SDGs分析のプロセスを開始しました。このプロセスは、6つの持続可能な開発目標を特定し採用することで終了し、それらは資源を集約するための具体的な行動として社内で開発されます。さらに、ファッション協定への署名に続き、当グループは2019年、サステナビリティ計画へさらに3つの開発目標(SDGs)「気候のために行動する」「水中の生命」「陸上の生命」を加え、環境保護の分野における公約を強化しました。
チャリティポリシーに従い、当グループは女性と子供たちの健康を守るためのイニシアティブを促進し支援することに専心します。
当グループは、フェラガモ財団と共に、当社の創業者の作品で表現された価値とスタイルの基準に沿い、ファッション、デザイン、そして高いレベルで芸術的なイタリア職人技術の分野に従事したい人たちの教育と育成に専心します。
当グループは、消費におけるエネルギー効率の継続的な改善と再生可能資源の使用の促進を通じて、環境保護と監視に専心します。
当グループは、労働環境の健全性を保証しながら革新と創造性を促進するために、地域の歴史的価値を尊重し、人々の専門能力の開発を奨励し生かすことを約束します。
当グループは、都市の現状へのより大きな責任ある管理を保証し、すべての形式と表現方法を含む文化の推進のために、芸術と文化の分野におけるイニシアチブへ最大の関心と資源を捧げることに専心します。
当グループは、製造プロセスおよび資源、原料、梱包材の消費プロセスの責任ある経営に専心し、環境への影響を減少させ、製品のライフサイクルを延長するためにクオリティへ投資し、透明性の原則に基づいたビジネスの報告を行います。
気候変動との闘いを視野に入れ、当グループは、企業活動が与える環境への影響を最小限に抑えるイニシアティブを通じて、戦略の開発と環境保護に対して積極的に取り組んでいます。
当グループは、使い捨てプラスチックの使用削減のイニシアティブを通じて、海洋や海洋資源の保護に取り組んでいます。
生物多様性を回復させるため、当グループは、種を保護し、地上の生態システムの持続可能な利用を支援する具体的な行動に取り組んでいます。
持続可能性と国連の目標を支持する国際的原則を実行するために、2018年12月、フェラガモは、世界最大の企業市民の戦略的イニシアティブ、国連グローバル・コンパクトへ加入しました。グローバル・コンパクトは、規模、構造、本拠地に関わらずすべてのビジネス活動へ、社会的責任に関する普遍的な言語と枠組みを提供し、責任ある働き方と、国際レベルで共有する社会的目標を推進するための戦略的な決断のオーガナイズを支援します。毎年フェラガモは、グローバル・コンパクトが主催するワークショップやウェビナーに参加し、企業の育成やさまざまな分野のサポートを行っています。
環境の持続的可能性のテーマに関する公約を確認する意味で、サルヴァトーレ フェラガモは2019年、ファッションと繊維業界のリーダー60社以上から成る連合、ファッション協定へ加入しました。この協会では、重要な産業部門の環境への影響を減少させるために、戦略的で具体的な目標を定めています。
ファッション協定は、科学研究と生態系システム保護に関する多くの専門家の意見を得て、三つの分野に集約された具体的な目標を定めました。一つ目は、2050年までに温室効果ガスの排出量をゼロにするために、サイエンス・ベースド・ターゲッツ(SBTs)を実行すること、 二つ目は、基本的な種の保護と重要な自然生態系の保護と回復、最後に、梱包に使われている問題のある必要のないプラスチック材を排除することで、ファッション産業が海洋へ及ぼす悪影響を減少させることです。
ファッション協定は2020年、気候、生物多様性そして海洋に対する取り組みの進捗を測定し、重要な影響を生み出していく行動の方向性を示した最初の経過報告書を発表しました。
2022年、株式会社サルヴァトーレ フェラガモは、多様なESG（環境・社会・ガバナンス）分野における持続可能性の管理への強固な取り組みの証として、去年に続き二年連続でSIレイティング認証の中で最も高いレベル、ゴールドを取得しました。SIレイティングは、国際的に認められたツールとSASB（サステナビリティ会計基準審議会）のマテリアリティ・マップに基づき、組織における持続可能性の包括的なレベルを評価するために、国際的に認められたESG基準のツールと、2030年までの達成に含まれる国連の17つのSDGsを一つのプラットフォームにまとめた初めてのアルゴリズムです。
親愛なる株主の皆様
2022年は、複雑で困難なマクロ経済の状況下にありながらも、サルヴァトーレ フェラガモにとっては戦略的にとても重要な一年でした。この一年は、当社のアイデンティティを強化するための将来に向けた堅牢な基盤と、ブランドの大きな可能性を開発していく組織をつくるために、当社の長い歴史、そして他に類を見ない価値観と実例にインスパイアされながら、極めて集中的に決然と仕事を行なったことに特徴づけられます。
合資会社 サルヴァトーレ フェラガモ 会長
レオナルド・フェラガモ
親愛なる株主の皆様
私がCEOに就任して初年度となる2022年の、サルヴァトーレ フェラガモ財務報告書を発表できることを嬉しく思います。
私は、エレガンスに対する際立ったセンスと職人技への多大な敬意を基盤とする革新と創造性の遺産、そうした素晴らしいヘリテージを誇るこの類稀な現実のトップに立てることを光栄に思います。フェラガモは、ほぼ一世紀の歴史を経て、グローバルなラグジュアリー市場における重要な基準点となり、私はその成長の可能性に興奮しています。
株式会社 サルヴァトーレ フェラガモ
CEO＆ゼネラルマネージャー
マルコ・ゴッベッティ
